明覚駅
明覚駅

都幾川をめぐるには車を。
八高線を降りる。まずは関東の駅100選認定駅の一つ「明覚駅」。
木造の丸太組みに赤い屋根が載る愛らしい駅である。木に囲まれた駅舎内の天井が高く気持ち良い。春ともなると駅舎近くの桜に映えた姿はカメラマンたちの絶好の被写体に。駅のそばには小高い芝地に遊具と彫刻のある【株TeamZoo鰐】の設計によるポケットパーク。

ポケットパーク

そこから線路に沿って進むと、ときがわ町の体育センター「せせらぎホール」。
中に入ってみると広い館内に背骨のように高い梁がまっすぐ走る。思わず見とれるような壮麗な空間である。建物2階には雨天時にもランニングが出来るように廊下が建物に沿って円状に走る。反対側の2階には剣道場と柔道場。これらのほかに当初の予定では、池を設け、図書館とギャラリーが併設される予定だったという。周囲にはせせらぎが流れ、散策に訪れる人も。外壁の日時計のデザインもユニーク。外に出て西側から建物を見ると絶妙な窓の配置と建物の壮麗さに改めて感嘆する。三波溪谷を右側にやり過ごしながら宿の交差点。ここを右に曲がり、のぼっていくと慈光寺。

せせらぎホール
せせらぎホール
木の村キャンプ場

そこを抜けて進んで行き、左に降りていくと町営の「木のむらキャンプ場(設計:株TeamZoo鰐)」が。戸建ての木造のバンガローが中央を流れる滝のある都幾川の右岸に山をバックに立ち並ぶ。少し戻って、堂平山への標識にしたがい進んで行く。右に左にとくねりながらしばらくのぼりながら進むと堂平山の頂上へ。円形ドームの「堂平山天文台」が緑色の屋根で出迎える。視界を遮るものがないのでここからの眺めは極めてよい。ドーム内には宿泊できるような部屋もあり、モダンな浴室も。浴室から眺める夜の風景を一興か。少し下に降りるとキャンプ場が広がる。週末には訪れる観光客で満杯になるという。自然を愛で親しみながらの都幾川周辺である。

堂平山天文台

文・写真:伊豆井 秀一