建物名よみ:せいのうしゃ
設計: 竣工:明治時代。改修2011年から順次実施。
構造:木造(改修済み3棟)  ・ 地上 2階建て
主な用途:カフェ、宿泊施設、農業体験、キャンプサイト
所在地:埼玉県加須市油井ケ島1393−1

見学の可否:敷地内の見学可能
駐車場:施設利用者専用 無料駐車場あり
https://www.seinousha.com/
メディア等紹介履歴:【「農ある暮らし」創生のため農家になった不動産社長 誠農社の仕事と人びと (暮らしの仕事Books) 単行本 – 2017/4/11】

加須市の広く平らな田園地帯に点在する農業集落内にある農業生産法人誠農社。大農家の屋敷地をそっくり多様な農的体験の場として活用している。数棟の家屋が維持されている。豪壮な主屋は明治43年に、大正11年に離れ(隠居棟)が建築。他に米や農機具、繭の飼育部屋が一体になった倉庫などの3棟がリノベーションされている。離れと主屋2階は宿泊用として、倉庫はククリカフェ、ギャラリーとして。もともとの主屋や離れの欄間や付書院の建具類の細工は品がある。枯山水のように整えられた庭の雰囲気が素晴らしい。現在、間伐された屋敷林がキャンプサイトになっている。

維持管理、運営の特徴

 所有者と運営団体:農業生産法人株式会社誠農社  

10年前に誠農社F氏が縁を感じて屋敷全体を隣接する敷地と合わせて取得し、都市住民が農的環境を楽しめるよう少しづつ整えてきている。2011年東日本大震災後には福島から漢方農法の名人を招き無農薬の稲作に取り組んだ。また、当地域の名産イチジクの栽培も行っており無農薬漢方農法米と合わせて多くの方が購入しに来場しているという。のんびり過ごしたいというキャンプサイトや宿泊施設の利用者も堅調。

 

周辺の見どころ

加須市内には、訪ねたい建築が広く点在している。旧市街地には大正・昭和初期の木造建物を訪ねて歩くのも楽しい。田園地域には景観に配慮したり、新たな要素を加える建物も見つけることができる。


写真:若林