正面の暖簾が粋な「はかり屋」旧大野家住宅は、日光街道沿いに面する築120年を経ている元商家。日光街道の雰囲気が保たれている街並みの中に立つ。明治時代に建築された店蔵、座敷、内蔵、納屋が連なった連棟型の深い奥行きの建物は、日光街道越谷宿の景観を伝える貴重な建物で、国登録有形文化財に登録された。取り壊しの危機にあったが、買収した住宅メーカーの英断と地域の専門家たちの熱意で、再生された。現在は、レストランや整体、インテリア用品などの６つの店舗を備えた古民家複合施設「はかり屋」として活用されている。町家が培ってきた伝統的な環境配慮を体験できる場所である。 （登録日：平成31年3月29日、国登録有形文化財（建造物）に登録。）
維持管理、運営の特徴
所有者と運営団体：中央住宅。運営団体：一般社団法人越谷テロワール
古民家再生の志をもつ専門家たちで構成された越谷テロワールが運営している。通りに面したお店では町家の設えを上手に使って工芸品・服飾品などを適宜紹介している。奥では質の高い食事を提供するレストランなどのお店が楽しい。 各店舗によって営業日が異なるので、事前に確認することが望ましい。
周辺の見どころ
このあたりは、複数の古民家が街並みを形成していて、街道の雰囲気を実感できる。最近、はかり屋の向かいの古民家もリノベにより、活用が始まった。越谷駅方向には、旧木下半助商店(国登録有形文化財に登録）がある。更に、蔵を改造したまち蔵カフェがあり、地域の情報を入手できる。旧日光街道越ケ谷を考える会では街歩きイベントなどを街を楽しむ企画を随時開催している。
撮影：若林