足元から屋上までスライスされたような横方向の線が強調されている。外壁は工事用足場に使わているグレーチングによってびっしりと構成されている。屋根を上から見ると、等高線のようだという。2階から建物内に入るが、格式ばった玄関はない。2階レベルは展示コーナー、文化情報コーナー、大ホールホワイエが細長くつながり、明るい。天井を作っている線材が力強くうねるように長くのび、勢い余って離れたレストランまでつながっている。ホワイエの椅子は公演時の行列を想定してデザインされている。建物全体は黒と白が基調。特に大ホールは黒が静かに沈んでいる。2階へ、3階へと導く階段がわかれていて、座席のラインがユニーク。3階から見ると舞台と観客席が近く感じられる。1階にある歴史民俗コーナーに展示されている出土した埴輪の表情にほっと一息。建物は公園と一体的につながっていて、巨大なクジラが芝の丘の上に寝そべっているように見える。 建物のどこをとっても強靭なデザインの意思が感じられる。埼玉県建築設計候補者選定委員会(設計コンペ)で最優秀に選定された。
維持管理、運営の特徴
所有者と運営団体:鴻巣市。指定管理者:公益財団法人鴻巣市施設管理公社
新型コロナの中、「クレアこうのす大ホールで演奏してみよう!」と大ホール貸し切りにしてピアノ演奏をする企画が好評実施中。
周辺の見どころ
中山道沿いの宿場町の風情を探す街歩きもお薦め。隣の行田市中心市街地に行くと数多くの足袋蔵が佇む街角が迎えてくれる。田園地帯には、旧川里村にある川里ふるさと館などがある。
写真:若林、STEP-image太田