遠くから尖ったあけぼの杉(メタセコイア)が加治丘陵の一部に見える。坂を上っていくと不思議な建物が次々と迎えてくれる。山に包まれたような地形、童話の世界が広がっている。遊具はないが子供たちは嬉々として遊んでいる。緑の帽子をかぶった「きのこの家」では子供たちは童話の登場人物たちと追いかけっこをしているようだ。鍛造作家・西田光男氏が制作した階段やベランダの鉄の手すりが雰囲気を盛り上げる。地元西川材の丸太による波打つ壁の「森の家」は絵本を読むにふさわしい静けさを醸している。「子ども劇場」はシュタイナー建築特有のうねるような屋根、外観をしている。この公園は北欧の童話作家であるトーベ・ヤンソンと市職員の7年にわたる文通の成果である。そして、 建設省(現・国土交通省)の平成記念子どものもり公園の指定を受け、あけぼの子どもの森公園として1997年7月1日に開園した。子供たちの生きる力を引き出すシュターナー教育を学んだ建築家村山雄一氏が公園全体と建物群を細部に亘る設計をした。公園面積は約7.5ha。
維持管理、運営の特徴
所有者と運営団体:飯能市
過去の大規模改修など:数度の丁寧な改修を経ながら、次第に整備されてきた。
トーベ・ヤンソンの思いを大切にして、独特な環境を維持していく丁寧な維持管理をしている。ライトアップは、土曜日、日曜日、祝日に行っている。なお、写真の掲載は©(2022)Moomin Characters/R&Bに基づく。
周辺の見どころ
加治丘陵の山腹に広がるきめ細かな地形を活用している。季節ごとの変化を楽しめる。特に紅葉の頃のあけぼの杉と周囲の木々とのハーモニーが美しい。
撮影:若林