建物名よみ:わらびしみなみちょうこみゅにてぃせんたー
設計:三浦西野建築設計事務所 竣工:1974年
構造:鉄筋コンクリート造  ・ 地上 3階建て  (地下 0階)  
延床面積:1115m2
主な用途:コミュニティセンター
所在地:埼玉県蕨市南町2-23-19

見学の可否:敷地内・建物内に入る際には事前に申し出ること
駐車場:なし
メディア等紹介履歴:【三浦功建築設計事務所作品集】

蕨市南小学校の通学区域を範囲とする南町地区が1971年に国の「コミュニティモデル地区」に指定された際、整備実施計画で単位コミュニティーセンターとして位置づけられた施設のひとつでコミュニティーセンターのほかに公民館と消防団車庫・同詰所を併設する。建物は営団時代の1941年に建設された集会所から数えると1959年に建設された蕨町時代の南公民館につづく3代目にあたる。建設にあたっては南町地区コミュニティーセンター建設懇談会を設置して地区市民の声を反映するような取り組みがなされた。外観はコンクリート塗装仕上げで水平方向に注目した意匠、内部は2階に設けられた「コミュニティーラウンジ」を特徴とし、隣接する三和公園とともにた「コミュニティー広場」として位置づけられる。設計は三浦功が担当した。三浦は建築家 大高正人のもとで実務を学び、独立後は蕨市の公共建築の他、玉川学園の学校関連施設や全国の宿泊施設を手掛けた埼玉をゆかりとする建築家のひとりである。

維持管理、運営の特徴

 所有者と運営団体:蕨市  
過去の大規模改修など:1992年 冷暖房設備工事、1997年 外壁・内部改修、2003年 エレベーター設置工事、2015年 耐震補強工事等

 

周辺の見どころ

敷地とその周辺は、旧住宅営団三和町(みつわちょう)住宅地の中心に位置した中央広場の一角で蕨で始めて耕地整理と区画整理事業が行われた。大正時代には星製薬が工場と住宅を建設する予定で周辺を含む土地の買収を終えたが実施に至らず、昭和となって住宅営団の手で住宅地として整備された。三和町住宅地は1941年当時の町割りがほとんど残っていて住宅地計画の歴史という点からも注目される。隣接する三和公園には、地区の歴史を語り継ぐ団体のひとつである「三和町を語り継ぐ会」が三和住宅地の建設70年を記念して寄贈した石碑がある。この碑は南町地区のシンボルである桜並木の桜色と三和町住宅地の外形をモチーフとしている。


文:高松 写真:高松、STEP-image太田