建物名よみ:ちちぶたいへいようせめんとほんしゃ・こうじょう
設計:基本設計:谷口吉郎(1904年~ 1979年)。実施設計:日建設計工務 竣工:1956年
構造:鉄筋鉄骨コンクリート造ほか
主な用途:セメント工場
所在地:埼玉県秩父市大野原1800

見学の可否:敷地外から望見可能
駐車場:不明
メディア等紹介履歴:【日本建築学会賞(昭和31年度) 】【❖DOCOMOMO JAPAN選定・日本におけるモダン・ムーヴメント建築(平成11年)DOCOMOMO JAPAN選定・日本におけるモダン・ムーヴメント建築(平成11年)】

秩父盆地の真ん中にあり、セメント原料である石灰の山・武甲山に正対している。この建物は戦後の復興を支えてきたセメント産業の姿をよく表している。秩父の街はセメント工場からの粉塵に悩まされていたが、会社は公害の発生させない新工場を実現した。コンクリートとレンガ色の壁、曲線の屋根、明るく簡潔なデザインの工場棟。現在の工場の姿は増築や改修などがかなり進んだままだが、原設計の雰囲気は色濃く残っている。正面入り口の守衛所の屋根のデザインはどこかで見たように思うが、きりっとした表情だ。秩父鉄道線路に接しているので、車窓から工場群の建物をまじかに見ることができる。

維持管理、運営の特徴

 所有者と運営団体:秩父太平洋セメント

 

周辺の見どころ

秩父盆地を取り囲む山々からこの工場を見ると、盆地の海に浮かんでいるようだ。また、荒川に架かる秩父橋からの眺めも素晴らしい。


写真:若林