建物名よみ:さいのくにさいたまげいじゅつげきじょう
設計:香山壽夫+環境造形研究所 (香山壽夫 1937年生まれ) 竣工:1994年
構造:鉄筋コンクリート造および鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造  ・ 地上 4階建て  (地下 2階)  
延床面積:23855m2
主な用途:劇場
所在地:埼玉県さいたま市中央区上峰3-15-1

見学の可否:敷地内の見学可能
駐車場:有料駐車場あり
https://www.saf.or.jp/arthall/
メディア等紹介履歴:【新建築1994年9月号】【第8回村野藤吾賞、第36回建築業協会賞、日本建築学会賞を受賞】【著書「建築家のドローイング」(東京大学出版会)】

最寄り駅JR埼京線与野本町駅のプラットフォームから芸術劇場の特徴的な屋根が良く見える。舞台芸術専門劇場は、大ホール(776席)、小ホール(座席可変式で最大346席)、音楽ホール(604席)、映像ホール(150席)など、それぞれの舞台芸術にふさわしい4つの専用ホール、そして、12の稽古場・練習室と舞台芸術資料室、カフェ・レストランなどで構成されている。たつみ通りに面する映像ホールの入口から1階に入ると丸い空間の真ん中にガラスに囲われた光の庭が浮かんでいる。大小の稽古場などが並んでいる直線的な吹き抜けのガレリア空間が明るい。この壁面を活用し劇場公演の関連企画として開催されたポスター展は圧巻だった。ほとんどのホールは2階にあるロトンダに面してそれぞれの入り口がある。緩やかな階段を上り下りしながら、期待や余韻を楽しめるアプローチ。香山氏が構想を練っていたドローイングを見てみると、よりこの建築を味わうことができる。

維持管理、運営の特徴

 所有者と運営団体:埼玉県。指定管理者:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団  
過去の大規模改修など:2011年度に大規模改修を実施。2022年10月から2024年2月まで大規模改修を予定。  

埼玉県芸術文化振興財団では県内の舞台芸術・文化活動の進展を目指して、様々な情報発信をしている。22年4月から芸術監督としてダンサー・振付家の近藤良平氏がこの建物をどう活かすか楽しみだ。

 

周辺の見どころ

JR埼京線与野本町駅西口駅前からはじまる「アートストリート」はバラと彫刻がつくるゆったりとした空間を歩き、与野西中学校の前では「彩の国シェイクスピア・シリーズ」に出演した俳優たちの手形がたくさん飾られているのを見ながら、芸術劇場までつづく。更に、近くには見事なバラ園の与野公園もある。


写真:若林、STEP-image太田