広々とした平な田園地帯に大きな緑地を併設している矩形の建物群。コンクリートの表情は丁寧に分節されていて、農村環境に馴染んでいる。展示館正面のガラスの向こうに巨大な球形が見える。建物内に入りると、環境問題という多様な課題をいろいろな切り口で身の回りのこととして展示解説している。ぐるりと1階から2階へ、ガラス越しに隣の建物や屋外の様子が目に入る。更に奥の展望室に行くと、眼下に緑の生態園がある。軽やかな螺旋階段を下りると、埼玉県土を構成している自然環境を体験できる。田んぼでは稲を育てたり、林の中で生物観察をしている。平屋のエコロッジは県民向けのイベント時に使用されていたり、休憩施設としても利用される。ここには外部からはあまり気づかれないが、一見工場のような試験研究棟もある。1階が多数の分析機器や実験用のスペースがある作業場的な利用、2階が研究室。建物利用の可変を前提としているディテールが面白い。そして、宿泊棟もあり、それぞれ違った表情をして一つの巨大な建物群を構成している。
維持管理、運営の特徴
所有者と運営団体:埼玉県
地球環境から足元の土のことまで、いろいろな切り口で環境教育関連のイベントを実施している。研究員たちが日常の研究活動を紹介しているFBが面白い。
周辺の見どころ
鴻巣市、行田市、加須市などの真ん中にあり、どこへでも行ける。
文:若林祥文 写真:若林祥文、STEP-image太田まさお







