川口駅西口公園から(写真1)

 川口駅東西口の区域は小さな散策に適している。鋳物の町であった川口駅を中心とする区域は都市改造により大きく変貌した。1983年に【川口駅周辺市街地整備構想】が発表され、道路網の再編(リング状道路の建設)と複数の都市改造プロジェクトを組み合わせ、それまでの川口のイメージを一新。

 西口にあった国立公害資源研究所の移転後に緑豊かな【川口西公園】が駐輪場の上部を利用して実現した。(写真1)緑をふんだんに取り入れた【駐輪場】(写真2)は《斉藤邦彦アンドアソシエイツ》が設計、シンボル的な【ガラスの立方体】(写真2)は《近田玲子デザイン事務所》が担当。彫刻、広場、斜面、それらを繋ぐ多様な緑、この公園の空間構成が素晴らしい。そして、目の前にはパイプオルガンを持つ【川口総合文化センター・リリア】《1990年 創造社 設計》が聳えている。

東口は駅前広場を拡張した市街地再開発建物の中に【中央図書館】と【メディアセンター、ボランティアセンター】などの新しい都市生活のあり方を提案する施設が入っている【キュポ・ラ】《2006年A&T建築研究所 設計》(写真3)が建設された。ここから間近に見るJR線路を往来する列車・電車の迫力は必見。東口には商店街を1982年再整備して歩行者優先の【樹モール、ふじの市モール】(写真6)が連続してできた。東口の線路沿いには駅から徒歩6分程度にサッポロビール跡地を再整備した【リボンシティー】があり、【市立アートギャラリー「アトリア」】《2006年 鹿島デザイン 設計》では多彩な展示を企画している。荒川方面に向かうと(写真5)川口発祥の町である【本町金山地区】には今も街角で【旧鍋平別邸】(現・川口市母子福祉センター)(写真7)など近代和風建築が記憶を伝えている。

街角を飾る鋳鉄製ストリートファーニチャアなどには鋳物の町の自負が感じられる。

写真・文 若林祥文