黒漆喰の蔵造り。川越市川越伝統的建造物群保存地区の入り口にある代表的な和菓子屋。外部から見ると土蔵と蔵造りの店舗の2棟だが、内部は壁が抜かれて、渋くて華やかな店舗空間になっている。大胆な空間構成で、天井の力強い木組みを見上げることができ、現代的な内装・家具との対比が面白い。 奥には菓子の製造をした工場部分が山崎美術館として改装されて、川越ゆかりの文人たちの作品を展示している。町家の構造を活かすように整えられているので、当時の雰囲気を学ぶことができる。
維持管理、運営の特徴
所有者と運営団体:株式会社龜屋
建物の各所に伝統を大切にしている家風が感じられる。伝統的建造物群保存地区内にあるために、家屋の維持管理については細心の注意をしながら行っている。
周辺の見どころ
川越市川越伝統的建造物群指定区域には、建物は明治初めの大火に焼け残った町家、大火後に再建された蔵造りの町家や耐火建築物、平成の看板建築などが街並みを形成している。区域外においても長屋や戸建て店舗などのリノベーション活動が盛んである。札ノ辻交差点の先にある旭舎文庫には川越の町に関する資料や情報がそろっている。
文・写真:若林