建物名よみ:さいたまかいかん
設計:前川國男建築設計事務所。前川國男(1905年~ 1986年)  竣工:1966年
構造:鉄筋鉄骨コンクリート造  ・ 地上 7階建て  (地下 3階)  
延床面積:18414.5m2
主な用途:大小の多目的ホール、展示室、会議室
所在地:埼玉県さいたま市浦和区高砂3丁目1−4

見学の可否:敷地内の見学可能(ホール棟は事前申し込み)
駐車場:有料駐車場あり(駐車台数に限りがあるので、なるべく公共交通機関を利用してほしい)
https://www.saf.or.jp/saitama/
メディア等紹介履歴:【DOCOMOMO Japan 「日本におけるモダン・ムーブメントの建築216選」】

我が国の建築文化を牽引してきた巨匠・前川國男氏の代表作品であり、打ち込みタイルのスタイルを全面的に展開した記念碑的建築。展示スペースやホールのホワイエなどは地下もしくは1階に埋められて、その上部は近隣環境に開かれたオープンな空間(エスプラナードと命名されている)があり、会議室棟・ホール棟と分棟化した平面計画である。傾斜のある角地に建ち、2つの入り口から建物に入ることができる。前川建築の特徴である階段が多用されている。ホール入り口から入ると暖かな照明の光が目に入る。大ホールと小ホールをつなぐロビーの連続する空間の変化や大胆な色使い「前川カラー」などに注目。大ホールは木質系の壁・天井であり、音響に定評がある。小ホールはコンクリートによる陰影のある壁で構成されている。DOCOMOMO JAPAN による「日本におけるモダン・ムーブメントの建築216選」に選定されている。

維持管理、運営の特徴

 所有者と運営団体:埼玉県。指定管理者:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団  
過去の大規模改修など:2015年度から2016年度に大規模改修工事を実施し、建物全体の老朽化対策として外観保持のための修繕、多機能トイレの増設やバリアフリー対応で長寿命化を図った。それ以前に、大ホール前のホワイエが改修されて、当初の打ち放しの柱などから木をまとったような柔らかい雰囲気になっている。改修等は前川國男没後の株式会社前川建築設計事務所が引き続き担当している。  

前川建築の代表的な作品であり、多角的な視点で楽しめるイベントが年間を通じて実施されている。市民目線で楽しむイベントとしては、前川建築設計事務所長らが前川國男氏を語る建築セミナー、建物の魅力を探る建築撮影ツアー、そしてボランティア・ガイド「前川國男を知ろう!彩の国探検隊」の協力による建築ツアーなどに多数の方々が参加している。開館以来、文教都市・浦和の文化発信拠点として重要な場であり、多くの市民・県民たちに親しまれている。

 

周辺の見どころ

浦和駅から徒歩6分程度。埼玉県庁への中間に位置している。近くには由緒ある玉蔵院があり、豊かな緑を愉しめる。県庁方向に行くと、右に枝分かれした坂の上に農林会館(清家清設計)がある。