建物名よみ:かぞしりつどうようのふるさとおおとねとしょかん(のいえ)
設計:和設計 竣工:2003年
構造:木造、鉄筋コンクリート造  ・ 地上 2階建て  
延床面積:1672m2
主な用途:図書館
所在地:埼玉県加須市琴寄597−1

見学の可否:敷地内の見学可能
駐車場:施設利用者専用 無料駐車場あり
https://www.library.kazo.saitama.jp/access/otone.html

一面の水田地帯にこんもりとした屋敷林がある。ノイエは木々の中にある。旧大利根町は童謡作曲家・下総皖一の生誕の地であり、童謡をテーマに町おこしをしてきた。この図書館ノイエはその主要な施設の一つである。敷地は当地域独特な構え掘りがぐるりと取り囲み、奥には水塚もあり、水害への対応を備えた旧小林邸の屋敷である。敷地全体は開琴亭公園として整備されている。開琴とは、先祖が琴寄地区を開拓したという功績に由来している。図書館は一般図書室と児童図書室に分かれている。児童図書室は現地にあった古民家を活用する予定であったが、焼失したために急きょ草加市の旧家を移築した。この経緯については、和田工芸の故和田勝利氏が尽力されたことを現地でお聞きしたことがあった。 一般図書室の大規模な木造架構と伝統的な木造建物である児童図書室の木組みの対比が素晴らしい。一般図書室妻側の大きなガラス越しの竹林、構え掘りに面したベランダ、敷地内を流れる水の音など、豊かな環境を創造している。 *下總 皖一(しもおさ/しもふさ かんいち、本名:下總 覺三、1898年3月31日 - 1962年7月8日)は作曲家・音楽教育者。 埼玉県北埼玉郡原道村砂原(現:加須市)生まれ。「たなばたさま」「かくれんぼ」など多数の曲を作曲。

維持管理、運営の特徴

 所有者と運営団体:加須市  

児童図書室にある再現された座敷では子供向けの読み聞かせなどの活動もしている。

 

周辺の見どころ

利根川の堤防に続く水田地帯が広がる。下総皖一の資料を展示しているのは近くにあるアスタホールで、この建物も和設計が設計した。利根川の堤防上には加須未来館がある。


文:若林祥文 写真:若林祥文、STEP-image太田まさお