水と仲良くなれる気持ちの良い建物。かつては地域の水辺で見つけることができた国指定天然記念物ミヤコタナゴ(日本固有の淡水魚)を人工繁殖したり、生態に関する調査・研究など、野生復帰の実現に向けた取り組みを行っているシンボル的施設である。地域全体をまるごと博物館の発想でとらえ、この建物は拠点になっている。長いアプローチの先に変わった屋根が見える。室内は少し薄暗いが、自然光が円形に並んだ柱の上のトップライトからほんのりと照らす。水の中を見る階段があるが水は濁っている。ベランダに出ると池や川が間近にある。豊かな水環境が広がる。
維持管理、運営の特徴
所有者と運営団体:滑川町
水辺、雑木林、草地が混在する谷津田がカエルやトンボ、水鳥などの生物にとっても大切な生育環境だった。ミヤコタナゴの人工繁殖に市民たちも試行錯誤しながら取り組んでいる。最近では減少するため池について、大学生たちも加わりため池農法を世界農業遺産にするプロジェクトがスタートしている。
周辺の見どころ
滑川町には比企丘陵の山・丘陵の襞が複雑な地形を創っている。そうした襞に谷津田が昔から開かれており、ため池が数多くつくられてきた。広大な国営武蔵丘陵森林公園も町内にあり、多くの人たちが四季折々に訪れている。比企地域のミュージアムが集まって、比企丘陵の文化財を訪ね歩く企画が毎年開催されている。
文:若林祥文 写真:若林祥文、STEP-image太田まさお











