東所沢駅から、最近オープンしたさくらタウン、所沢聖地霊園、所沢市民文化センターミューズ、航空発祥記念館、所沢市立図書館を歩いて、航空公園駅まで。約2時間コース。
東所沢駅から歩いて10分以内。東所沢公園の中の広い通路を進む。【角川武蔵野ミュージアム】のある【ところざわさくらタウン】《隈研吾、設計》(写真②)は3つの異なるデザインの建物がそれぞれ存在感を持って、聳えている。
起伏のある武蔵野台地を歩く。
【所沢聖地霊園にある礼拝堂・納骨堂】《1973年。池原義郎、設計》(写真①)は道路から見える。雑木林を背景にして風景を作っている。地形の微妙な変化を活かし静かに置かれていると感じる。池原のデビュー建築で「日本建築学会作品賞」を受賞、その後「日本におけるモダンムーブメントの建築」150選に選定されたことなどの丁寧な解説が建物と池原義郎について書かれている。
更に歩くと、道路幅が広くなる。所沢基地跡地に入った。その一画にできた【所沢航空公園】《1992年。日建設計、設計》に接している【所沢市民文化センターミューズ】《1993年。石本建築事務所、設計》(写真③)は広い歩道を持つ並木通りに向けて上質な都市文化の雰囲気を発散させている。3つのホールを持つ巨大な建物で、色々なデザインが繰り展開されており、情報市場と名付けられている中庭の雰囲気にも注目したい。
【所沢航空発祥記念館 】(写真④、⑤)は軽快なジェットエンジンタービンの姿を公園の大きな広場に向けている公園のシンボル的な建物。その裏側・側面に貼られているタイルは雲をデザインしたのだろうか、明るい日差しを受けると雲の陰影が浮きたつようで面白い。
【所沢市立図書館】《1980年。岡田新一建築事務所、設計》(写真⑥)は公園の航空公園駅近くの木立の中にある。煉瓦一色の落ち着いた上品さを醸す建物。大理石の階段を上り、2階の開架がある一般室の吹き抜け空間は素晴らしい。
隣にある【所沢市役所】の正面玄関へのアプローチと並木通り沿いに竹林がゆらりゆらりとする風情は、所沢基地跡地の整然とした空間にあって新鮮だ。航空公園駅は目と鼻の先。
文・写真 若林祥文