さいたま新都心駅周辺

さいたま新都心駅
さいたま新都心駅

【さいたま新都心駅※1】は《鈴木エドワード氏設計》。渦巻くような曲線の空間は、この駅周辺の建設状況を捉えている。東口には片倉工業と三菱マテリアルの広大な敷地があり、大型ショッピングセンター・【コクーン※2】や【印刷博物館※3】などが立地、現在も大型マンションが建設され、新さいたま市庁舎の最有力候補地として整備中。西口はJRの大宮操車場を区画整理事業で整備し【政府官公庁などの建物群※4】、【さいたまスーパーアリーナ※5】などが2000年時点でほぼ完成した。この一帯はデザインコントロールをして、サイン計画やバリアフリー対応は充実。官庁街区の中央に【つきの広場※6】があり、巨大なトカゲが這っている。人工地盤上のけやき広場も見どころ。お勧めルートは、さいたまスーパーアリーナの線路側にある通路から線路を横断する【ほこすぎ橋※7】へ。橋の中央から、大宮駅方面の高層建物群や緑の軸線氷川参道を見る。

氷川神社参道

日本一長い大宮氷川神社の参道
日本一長い大宮氷川神社の参道 ※8

氷川神社の一の鳥居から参道を神社に向かって歩く。参道の両側にはこんもりとした並木道が続き、市民たちが協力して手入れをしている。参道には「丁目」という距離を示す石杭があり、3丁目という石杭で横断する道路に出る。

【さいたま市消防署氷川参道出張所※9】《2010年、永峰総合計画事務所設計。》が交差する南大通りの左角に立つ。和風テイストの立面が落ち着いている。参道脇の細い通路を通り、水のない池を見ていただきたい。その後ろに、【新大宮区役所・大宮図書館※10】《2019年、シーラカンス設計。》の生糸をイメージする白い縦線を強調した壁面が見える。ここから参道の左側の区域には県や市の公共施設が多数立っている。それらを市は「公共施設再編のまちづくり」として建て替えたり、集約的に移転していくと同時に、地区を結ぶ道路の拡幅整備を長期間にわたって進めている。この区間では道路の拡幅に伴って沿道の景観が次々と建設される高層マンションによって大きく変わった。

大宮駅からの中央通りとと旧中山道の角地では、市民会館が移転してくる再開発ビルが立ち上がっている。参道に戻り神社に向かうと参道を膨らませた【平成広場※12】がある。戦後の闇市を移転させた地区改良事業の結果だ。

旧16号道路に出ると大きな二の鳥居が立つ。その先の右側に【旧大宮図書館※13】《1972年、地下1階、3階建て。建築モード研究所設計》がある。隣には、【さいたま市立博物館※14】《1980年。床2330㎡、地下1階、地上2階。佐藤武夫建築事務所》。旧大宮図書館はリノベーションされて、大宮の新しいコミュニティ拠点【bibli】、民間運営の施設としてよみがえる。神社境内近くには【氷川の杜文化館※15】《1997年、アライ設計》が竹林越しに見える。

氷川神社、大宮公園

埼玉県大宮公園水泳競技場
埼玉県大宮公園水泳競技場

大宮公園内の北側には【埼玉県立歴史と民俗の博物館 ※17】《前川國男氏設計》がある。豊かな緑の空間と前川建築独特の大きな茶色のタイル面・ガラス面の融合が素晴らしい。そこから線路方向に、【埼玉県大宮公園水泳競技場 ※18】《1983年、小林美夫氏設計》がある。空に向かって伸びる飛び込み台とそれを抱くようなアーチの観客席カーブが印象的だ。煉瓦壁が素晴らしい。

そして、【大宮公園駅 ※19】へ向かう。最近、建て替えられた駅舎、駅広には大きな木が聳えている。

盆栽町から土呂駅へ

健脚の方には盆栽村へ足を伸ばすことをお勧めする。
線路を渡ると、大宮盆栽村のエリアに入る。埼玉県唯一の風致地区が【盆栽園】を含む住宅地に指定されている。【大宮漫画会館※21】や【盆栽四季の家※22】、そして【盆栽美術館※23】を経て、【土呂駅※24】に着く。

さいたま市大宮体育館

盆栽村へは行かず大宮公園から見沼田んぼへと向かう。大和田公園の野球場などの先に、大きな調節地が芝川沿いにある。見沼田んぼの斜面林の中に【さいたま市大宮体育館※24】がくっきりと建つ。

文:若林  写真:STEP-image太田