見沼田んぼの豊かな斜面林に、すっぽりと四角な箱を埋め込んだ建物。円形の屋外階段を昇りながら、縦方向のルーバーや窓、打ち放しコンクリートが荒々しい表情をしている。正面玄関の天井に注目。ロビーは吹き抜けになっていて、2方向の大きなガラス面が正面方向は見沼田んぼ、左方向は林の様子を映し出している。奥の壁面には岩登りを訓練するボルダリングが据え付けられている。2階は建物が中庭を挟んで会議室棟と体育館棟に分かれている。傾斜地を活かした中庭に面する開口部も縦方向を意識してデザインされている。3階の広間(当初は食堂の予定)には天井から床までの大きなガラス窓があり、見沼田んぼを足元に見て、遠くの秩父連山や富士山などの山々を晴れた日には見通すことができる。現在では体育館のみの利用だが、併設されていた勤労女性センターが2018年に廃止された。
維持管理、運営の特徴
所有者と運営団体:さいたま市。指定管理者:日産・エヌテック共同事業体
建築当初は、「ソーラー建築」として太陽熱を冷暖房に利用することを目指していたが、現在は稼働していない。空調などの設備機器は最近では小型化しており、当初に据えられた大型機器は稼働を停止している。 指定管理者が独自にバトミントン大会や利用者及び近隣住民への周知を目的としたお祭りを開催してきたが、新型コロナのために休止している。
周辺の見どころ
大和田緑地公園の斜面林、見沼田んぼに囲まれて、大宮第2公園から連続的な空間を構成している。芝川沿いには桜並木が延々と続いている。大宮盆栽村にも近い。
写真:若林