1964年に開催された「第18回オリンピック東京大会」の聖火台で、埼玉県による公園整備事業のひとつとして設置された。外観は校倉風の意匠からなる基壇を特徴とする。本体は主会場である国立競技場に設置された規模の2/3の大きさだが、意匠は同じで川口市内の鋳物工場で製作された。聖火台に続く通路には煉瓦が敷設されているが、このなかには日本煉瓦製造の刻印が付された煉瓦のほか戸田の文字と市章の刻印も見ることができる。
維持管理、運営の特徴
所有者と運営団体:埼玉県
過去の大規模改修など:1980年 防護柵及び門扉塗装修繕。
周辺の見どころ
戸田公園内の中心的施設となるボートコースは「ボートの聖地」として全国的に知られる存在である。コースの原形は1940年に開催を予定した「第12回東京オリンピック東京大会」のボート会場として整備され、1964年に開催された「第18回オリンピック東京大会」に合わせて改修された。オリンピック後は大学を始めとするボート部の合宿所が建設されて現在に至る。春の時期は桜並木、夏は花火大会で荒川沿いの堤防を含む周辺が賑わう。なおコースの東端には1964年に建設された三座建築事務所の設計による国立戸田艇庫(鉄骨・一部鉄筋コンクリート造 ・ 地上 2階建)も残る。
文:高松 写真:STEP-image太田